災害が起こった場合、空室のために起こりうるトラブルとは?

災害が起こった場合、空室のために起こりうるトラブルとは?

マンションやアパートを経営するうえで、常に部屋が満室なら良いのですが、理想的にならないことが多いのが現実ではないでしょうか。「まぁ、いいか」と、何年も空室のまま放置していると、家賃が入らず不動産利益につながらないのはもちろん、さまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。

今回はそのトラブルと対処法に関して具体例も交えて紹介します。

地震や台風に見舞われ、アパートが損傷した。

一般的に建物が滅失(全壊)に至らない場合、大家には修繕義務が法律上発生します。たとえその部屋に住人がいなくても、破損した外壁がさらに崩れる可能性もあるため、安全上すみやかに修繕をしなければなりません。

また修繕ができていない状態であれば、新しく入居者を募集することもできません。だからといって外壁の修理をするには、かなりの修繕費が必要です。

一般的に2階建てアパートとして、外装塗装費だけでも200万円から500万円、さらに大規模修繕ともなれば、500万円を超えるといわれています。空室が多い場合、こういった災害により外壁を修繕しなければならないなど、寝耳に水の話です。

期待している保険金の支払金が見込めるとしても、地震保険では通常火災保険の30%から50%、上限が1,000万円までとされています。

さらにその被害の大きさは損害区分により全壊は100%、大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%と分類されています。恐ろしいことに、たとえ災害にあって建物に損傷があったしても、一部損にさえ認められない場合には、1円も保険金が支払われることはありません。

空室からの火災、隣室への延焼

例として、長い間空室のまま放置していた部屋に不審者が入り込み、寝タバコによる火災が発生したとします。ボヤで済んだものの、隣室までその火は延びて、空室だった部屋のみならず、隣室の修繕まで必要になりました。

この場合、過失のない隣室の入居者はもちろん責任義務はありません。火元の損害賠償を求めるにも相手が悪く、この場合、大家は自身の保険を適用することになります。

台風のため空室に雨水がたまり、下階に汚水が漏れる

空室だった部屋の窓が開いていたため、そこにたまった雨水が階下に浸水、天井部に雨染みが残って下階の入居者からクレームが発生しました。天井部の修繕費はもちろん、修繕の期間中、居住者を別の部屋に移し、その間の費用を家主が負担するなど思ってもいなかった出費が発生しました。

またこの場合でも雨漏りと保険会社から判定された場合、基本的に火災保険は適用されないことになります。その理由は、雨漏りや雨の吹き込みがあるのは災害ではなく、建物の老朽化が原因とされ、予想される損害だったのではと判断されるためです。結果、保証対象から外される可能性があるのです。

民法606条第1項には「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定められています。空室による災害時のトラブルは、その隣に住んでいる借主には過失として認められませんので、100%大家の責任となってしまいます。

そのため、空室であろうとなかろうと、大家としては建物全体さらに人が住んでいない空室の管理にまで気を配る必要があるでしょう。具体的には定期的にチェックし、窓が開いていないか、または壊れていないか、水漏れがしていないかなどに気をつけておく必要があります。

入っている火災保険の内容確認を

実際に事故が起こった時に慌てないよう、事前に保険対象となる事故の範囲、免責金額、保険期間など、自身が加入している保険を今一度見直して把握しておく必要があります。すでに保険が切れていたということも少なからずありますし、考えられる事故がカバーされていない可能性もあるからです。

空室は問題を呼び込んでしまう場所

このように、空室であるためのデメリットは家賃が入らないだけにとどまらず、意図しない災害などによってもたらされるケースもあります。その場合、多額の修繕費または保険金が支払われるとしても、その手続きに労する時間と不安にさいなまれることになるでしょう。

空室にさせないためにするべきことは

もしも老朽化が問題なら、部屋や建物全体のリフォーム、立地が悪いのなら、何か魅力的な付帯設備を新たにつけるというのも1つです。たとえば、1階にガーデニングが楽しめるようなミニガーデンを作る、若者向けのロフトを設置した部屋にリフォームするなども空室解決につながります。

もしも懇意にしている不動産会社の営業力が問題であるなら、新たな広告展開を考えることも考慮した方がいいでしょう。

リフォームや広告をしたいけどお金がない・・・

「アイデアやリフォームの意思はあるけれど、先立つものがない」または「多額のお金を投じるにあたっても、それが本当に成功するかどうかわからない」という方もいらっしゃると思います。

実際、自己流でやってみたり、不動産会社のアドバイスでリフォーム工事をしたりしてみたけれど、思うように回収できていないとういう事例も少なくありません。

まとめ

災害時に起こりうるリスク、常に部屋を管理しておかなくてはならない手間、まさに空室にして放置し続ける状況は、百害あって一利なしといえるでしょう。それに毎月入るべき家賃が入らないというのは、本当にもったいない話です。

その場合はプロに相談してみるのも1つではないでしょうか。「空室・空き家 再生LAB」は、今までに数々のご依頼をいただき、アドバイスをさせていただいた実績があり、お喜びの声を頂戴しております。

修繕に関わるオーナー様のご負担はゼロ円で、空室を新たな入居者を呼び込む魅力的な姿にリフォームさせていただいております。話だけでも聞いてみたいという方、ご相談などはいつでも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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