アパートを所有されているオーナーの方にとって空室は極力ない状態が望ましいのは当然のことです。しかし、実際のところ空室ができてしまうことはあり、なかなか次の利用者が現れずにそのまま放置になってしまうことも少なくないでしょう。
そんなときに問題になりやすいのが「水回り」です。
今回は、空室のまま放置した場合に水回りでどのような問題が起きてしまうのかについてご紹介します。
悪臭が発生
真っ先に挙げられるのは「悪臭」ではないでしょうか。臭いはすぐに部屋中に充満してしまいますし、しばらく漂った状態が続くと染み付いてしまうため大変厄介です。非常に不快な要素であることから、大きな問題と言えるのではないでしょうか。
そんな悪臭がなぜ発生してしまうのかと言うと、水回りにある「排水トラップ」という設備に原因があるのです。S字やわん型などいくつかのバリエーションがある排水トラップですが、臭いを防ぐために設置されているものです。
キッチンやトイレ、お風呂場などでは当然排水をする必要がありますので、排水管によって実現されています。しかし、そのままですと排水管と屋外が直につながっている状態になりますので、下水道からこみ上げてくる悪臭や、害虫やネズミなどが室内へと侵入してしまいかねません。
そこで、配管の一部分に一定量の水がたまるような仕組みを設けることで、水が防壁のような役割を果たして室内への侵入を食い止めることが可能なのです。
そんな排水トラップですが、普段生活の中で排水が行われることによって常に水がたまった状態となります。ところが、空室が続いてしまうことによって、排水が行われず排水トラップにたまった水は徐々に蒸発してしまい、最終的にトラップとしての役割を果たすことができない状態へとなってしまいます。
すると当然悪臭は下水道からこみ上げてきますので、室内が悪臭にまみれてしまうことになるのです。
劣化が顕著に現れやすい
排水トラップの水蒸発は悪臭だけでなく、配管の劣化にもつながってしまいます。配管を通るのは基本的には汚水となりますので、中には髪の毛や食べカスなども含まれているでしょう。
入居者がいれば毎日何かしら排水されますので、配管を通って下水道へと排出されますが、空室が続いて配管の水が蒸発してしまうことで、そうした異物なども乾燥して配管の内部にへばりついてしまうことになります。その結果配管が劣化してしまい、いざ入居が決まった際に使用できない状態になるのです。
配管が劣化してしまうと、交換や修繕が可能な範囲であればいいものの、深い箇所で発生してしまった場合には大掛かりな工事が必要になってしまうケースも考えられます。
基本的にアパートなどでは配管は各部屋と合流するポイントがありますので、最悪の場合すべての部屋に影響が出てしまいかねないのです。そうなってしまうと、オーナーの方の費用面での負担や、入居者の方への影響もとても大きくなってしまうため、重大な問題であると言っても過言ではないでしょう。
水回りのトラブルが入居者に与える影響
水回りになにか問題が発生してしまうと、入居者の方へ与えてしまう影響は非常に大きいものです。キッチンやトイレ、お風呂など日常生活において水回りは欠かせない設備となります。
そんな水回りが使用できなくなってしまったり、使用する際に問題が発生してしまったりとなると快適性がかなり損なわれてしまうでしょう。そのことが退去理由になってしまいかねません。空室期間が長いことで発生した問題によって、せっかく決まった入居者がまた去ってしまっては悪循環でしかないのです。
たとえば空室期間が長期にわたったことによる劣化で、お風呂場の配管が排水に難が出たとします。ひとまず入浴に支障がないレベルであればまだしも、支障をきたしてしまうレベルの場合には大問題となります。
近所に銭湯があれば一時的にどうにかしのぐことが可能かもしれませんが、そうした立地でなければどうすることもできません。入居者の方からしたらたまったものではないでしょう。それが夏場であればもう大変です。
修繕費用だけでなく、そうした被害を与えてしまったことに対するお詫びもしなければなりませんので、オーナーの方の負担は計り知れません。空室が長いことで使用していない状態が続くため、劣化しにくいものと思ってしまいがちですが、配管に関してはかえって劣化を促進してしまう恐れもあるのです。
空き状態を少しでも短くすることが重要
水回りでは臭いや劣化などの致命的と言える問題が発生する可能性があります。つまり空室のままにしてしまうことで、将来的にその部屋が快適に利用できなくなってしまう原因になることでもあるのです。
修繕するだけの財力がオーナーの方にあればどうにかなるかもしれませんが、そうでない場合にはより一層空室状態が続いてしまうことになるかもしれません。そのためにはまず空室期間をできる限り短くすることが最善です。
水回りは暮らしの要とも言える大切な設備ですので、常に問題のない状態を維持し続けなければなりませんし、できる限り劣化を遅らせるべき箇所であることは間違いないでしょう。
すべての原因は空室期間によって生まれると言っても過言ではありませんので、いかにして入居者のいる状態を保つのかということをオーナーの方は考えるべきではないでしょうか。将来的にもそのほうが安心できる結果となるはずです。
まとめ
空室が生み出す水回りの問題はどれも深刻なものと言えます。すでに長期にわたって空室が続いており、悪臭や配管の劣化に頭を悩ませているのでしたら、ぜひ「空室・空き家再生LAB」におまかせください。放置せざるを得ない状態に陥ってしまっているその物件を入居可能な状態へと再生いたします。
