空室の排水管清掃は、メンテナンスの中でも最重要項目のひとつです。クリーニングをするだけでなく、随時状態をチェックして清潔にしておけば、空室の衛生環境がよくなります。今回は空室の排水管を放置するデメリットと、トラブルを回避するための対処法についてお伝えいたします。
空室の排水管のメンテナンスは必須
空室において、排水管をクリーニングすることは欠かせません。なぜなら水回りを利用していませんと、排水管が乾いてさまざまなトラブルが生じる恐れがあるからです。場合によっては、部屋に異臭がして入居者が決まりにくくなるなど、成約率に影響を及ぼします。排水管のメンテナンスを怠るとどういったことが起こるのか、デメリットをみてみましょう。
下水の臭いがあがってくる
一定期間水を流していませんと、排水管から下水の臭いが逆流することがあります。排水管内にはS字の排水トラップと呼ばれる仕掛けがあり、水を溜めることで下水管の臭いが上がってくるのを防ぐ役割をはたしているのです。トラップ内の封水が蒸発しますと、空室に悪臭がただよう原因になります。定期的に水道を利用することがリスク回避になります。
害虫トラブルのもとになる
トラップ内の封水がうまくできていませんと、害虫が登ってくる原因にもなります。空室にはみえない汚れが溜まっていくため、それを目当てにゴキブリやクモがやってくるかもしれません。一度害虫が大量に発生してしまいますと、駆除するには大変な手間がかかります。まめにチェックをして、トラブルがないか確認をしておくとよいでしょう。
管が劣化する
クリーニングをしないで放置した排水管はつまったり、サビついたりして劣化が進みます。この状態を改善しないと腐食が進み、最悪の場合は漏水につながります。水が漏れると壁や床も腐ってしまうため、部屋全体の改修が必要です。こまめに汚れを落とすことが、部屋の状態を保つことにつながります。
新しい居住者が利用できない
入居者が住みはじめてから、排水管のトラブルが起こる可能性もあります。たとえば洗濯機の排水がうまくできなかったり、浴槽内の水がスムーズに流れなかったりといったケースが考えられるのです。
水回りのトラブルは住民の印象が悪くなるだけでなく、修理費用の負担やお詫びの品の用意が必要になることもあります。空室の間は問題がなくとも、メンテナンスをしておけば後々起こりうるリスクを軽減できるのです。
空室の排水管のメンテナンス方法
これらのトラブルを招かないために、空室の排水管を清潔にしておく方法と、問題が発生したときの解決法を紹介します。
大量の水を使う
排水トラップの水を蒸発させないためには、大量の水を使うことが有効です。とくに気温が高い時期は、こまめに行う必要があります。人が住んでいる部屋と同量の水を流す必要はありませんが、1週間に1回を目安に行うとよいでしょう。
排水トラップを取り付ける
臭いが発生しやすい洗濯機の排水口、洗面台下の下水口につながる配管には、追加で排水トラップを取り付けましょう。ホームセンターで購入できて、個人でも取り付けられます。つなぎ目に設置することで、臭いが上がってくるのを防ぐ作用があります。設置したあとは、ラップで口をふさいでおけば問題ありません。もし管の間に隙間ができてしまったら、パテで間を埋めると密閉性が高まります。
汚れを洗浄する
封水トラップがうまく作動していても、その前に汚れが付着していたら異臭や劣化の原因になるのです。自力で汚れを取るためには、パイプ洗浄剤が役に立ちます。軽微な汚れであれば、ドラッグストアで購入できるもので十分です。
洗浄剤を排水管内に流してしばらく時間をおきますと、汚れが水で落ちるようになります。頑固な汚れがこびりついていたらブラシで直接こすって落としましょう。
プロに高圧洗浄を依頼する
個人でメンテナンスをしてもなかなか臭いが取れなかったり、汚れが落ちなかったりする場合は、プロに高圧洗浄を依頼できます。加圧した水を勢いよく噴射して、排水管内の汚れや詰まりをきれいに取り除けるのです。
個人では手の届かない範囲も、ホースを使った洗浄が可能です。1回数万円と金額は高くなっていますが、そのぶん効果があって、手間をかけずに排水管のトラブルを解決できます。
まとめ
今回は空室の排水管で起こる問題と、トラブルの解決方法をお伝えしました。排水管は目にみえないため見落としがちですが、空室のメンテナンスでは非常に重要です。清掃を怠りますと、異臭・害虫・腐食の原因になって、入居後のトラブルになる可能性もあります。定期的に水道を使うことや、排水トラップを取り付けることが有効です。また個人で洗浄剤やブラシを使って、汚れを落とすことも大切です。どうしても解決しなければ、プロに高圧洗浄を依頼することも検討しましょう。
「空室・空き家再生LAB」では、空室を再生するためのさまざまなノウハウを公開しています。疑問やお悩みがあれば、お気軽にご連絡ください。